先生、私パウンドケーキ焼くのが好きなんです。
お友達にもプレゼントしやすいし、日持ちもするしとてもいいですよね!
今日はパウンドケーキのいろいろな作り方の解説を見ていきましょう。
この記事を書いた人
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プロが教える本格お菓子教室「シュクルエピス」主宰。
東京都北区の自宅工房でお菓子教室とお菓子の販売をしています。
「日常にスイーツとちょっとしたスパイスを」をコンセプトに、美味しさと完成度にこだわったお菓子をお届けしています。
パウンドケーキとは
パウンドケーキとカトルカール
パウンドケーキ(pound cake)は、小麦粉、バター、砂糖、卵を1ポンドずつ合わせて焼いたバターケーキの一種です。ちなみに1ポンドは453.6gなので、総量1814.4g !かなり大きなケーキですね。18世紀後半には砂糖漬けのフルーツをふんだんに使ったフルーツケーキ(パウンドケーキ)が、ウエディングケーキや、お祝いの席で使われていたそうです。
フランス語では、カトルカール(quatre-quarts) といいます。カトル(4)カール(1/4)。
4分の1が四つの意味で、小麦粉、バター、砂糖、卵を全分量の4分の1ずつ用いることからその名前がつきました。キャトルキャールも読み方が違うだけで同じです。
基本配合
材料【長さ18㎝×幅8㎝×高さ6㎝パウンド型1台分】
バター 120g
粉糖 120g
全卵 120g
小麦粉 120g 合計480g
焼成 170~180度 15分くらいで表面が乾いてきたら、ナイフで切り込みを入れオーブンに戻す。
そのまま30~40分焼成する。
今日は、パウンドケーキの5種類の製法と特徴を解説していきます。
パウンドケーキの製法
シュガーバッター法(全卵式)
砂糖(シュガー)をバターに先に入れるので、この名前が付きました。
シュガーバッター法は、バターを泡立てると空気を含む「クリーミング性」という性質を利用して作ります。
【作り方】
①柔らかくしたバターに、砂糖を加え擦り混ぜ、ハンドミキサーで空気をしっかり抱き込む。
②人肌(36度くらい)にした卵を少しずつ加え乳化させる。
③ふるった薄力粉を混ぜ合わせる。
最も一般的な作り方ですが、卵を加える時に気を付けないと、とても分離しやすいのが難点です。バターを柔らかくしすぎたり、溶かしたりすると気泡を含まず、失敗の原因になります。メリットは一つのボールに材料を入れて作るので少ない器具で作ることができます。
食感 しっとりしてどっしりした食感。バターの風味を1番感じる。
シュガーバッター法(別立て)
卵を卵黄と全卵に分け、卵白だけを泡だてた後に、混ぜ合わせていく方法。卵の起泡性を利用しているのでふくらみが良くなります。
【作り方】
①柔らかくしたバターに砂糖半量をすり混ぜ、卵黄を混ぜ合わせる。
②別のボールで卵白を泡立てながら、残りの砂糖を3回に分けて加えてメレンゲを作る。
③①にメレンゲの半量を混ぜ、薄力粉をふるって混ぜ合わせる。残りのメレンゲをさっくり混ぜる。
メリットは、シュガーバッター法よりも分離がしにくく、軽くなります。
食感 シュガーバッターよりふんわりと軽い食感
フラワーバッター法
小麦粉(フラワー)をバターに先に入れる方法。
柔らかくしたバターに小麦粉を混ぜ、そこに卵と砂糖を混ぜたものを加えて作る方法です。卵より先に薄力粉が混ざっているので、卵の水分を小麦粉が吸収して分離が起こりにくくなります。
【作り方】
①柔らかくしたバターにふるった薄力粉を入れて、しかっりと混ぜ合わせ空気を入れる。
②卵と砂糖を人肌に温めてハンドミキサーで泡立てる。
③①に②を3回に分けて加える。
メリットは、失敗が少なく初心者の人にもおすすめです。
食感 シュガーバッターよりきめが細かくふんわりとしている。
ジェノワーズ法(共立て法)
ジェノワーズ(スポンジケーキ)を作る時と同じ製法で作ります。
【作り方】
①全卵と砂糖を人肌まで温めて、ハンドミキサーで線が引けるくらいまで泡立てる。
②ふるった粉をさっくり混ぜ合わせる。
③60度くらいに溶かしたバターを加え、混ぜ合わせる。
ポイントとしては、卵の起泡性により、生地にボリュームが出るので、材料を各120g→90gにすると量がちょうどいいです。普段のスポンジケーキを作る時よりも、バターがすごい量入るのでびっくりしますが、そのまま混ぜてください。
食感 一番ふんわりしていて軽い食感。バターカステラのよう。
オールインワン法(マドレーヌ法)
卵に砂糖と粉を加え、最後に溶かしバターを加える方法です。ワンボールでマドレーヌ様に作るやり方です。
【作り方】
①全卵に砂糖を入れて泡だて器で混ぜる。30度くらいに温める。
②ふるった薄力粉とベーキングパウダーを入れて泡だて器で混ぜる。
③40度に溶かしたバターを3回に分けて加え混ぜ合わせる。
注意点としては、バターに空気を抱き込ませたり、卵の起泡性などのケーキを膨らます力がないので、ベーキングパウダーを加えないと膨らみません。使用量は粉の1~2%使ってください。ベーキングパウダーを入れないと、生地が詰まってしまいます。
メリットは、なんといっても作るのが簡単!失敗も少ないです。
食感 きめが細かくさっくりとしている。
まとめ
シュガーバッター法 しっとりしてどっしりした食感。バターの風味を1番感じる。
シュガーバッター法(別立て) シュガーバッターよりふんわり軽い食感。
フラワーバッター法 シュガーバッターよりふんわりと軽い食感。
ジェノワーズ法 一番ふんわりしていて軽い食感。バターカステラのよう。
マドレーヌ法 きめが細かくさっくりしている。
同じ材料と分量でも、作り方を変えると違った食感と味わいを楽しめます。
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