先日、生徒様のお誘いで亀戸の松永製作所にお邪魔してきました。
松永製作所といえば、型離れがいいので有名ですよね!
そう、焼き色もよくて、オイルスプレーだけで取れるから、とても人気ですよね。
今日は松永製作所の型についてお話したいと思います。
この記事を書いた人
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プロが教える本格お菓子教室「シュクルエピス」主宰。
東京都北区の自宅工房でお菓子教室とお菓子の販売をしています。
「日常にスイーツとちょっとしたスパイスを」をコンセプトに、美味しさと完成度にこだわったお菓子をお届けしています。
松永製作所とは
松永製作所は、1953年に江東区亀戸で創業。
最初は、餅網や油こし、親子鍋を製造。1981年から精密部品製造の傍ら、菓子型を製造。2008年より本格的にお菓子の型や、パンの型を製造。
精密機械の部品製造の技術を生かして作られる、丈夫で熱伝導がよく型離れのいい型は、多くのプロのパティシエや、お菓子研究家、お菓子作りの好きな方たちに愛されています。
インスタグラムのフォロワーは2023年5月時点で1.7万人!
松ちゃんの愛称で親しまれている、社長の松永さんの人柄も愛される要因だと思います。
工場見学させていただきました。
いつもレッスンに通ってくれているTさんに、「今度型を作っている工場に行くので一緒にどうですか?」とお誘いいただきました!Tさんは松永製作所の型を愛用していて、インスタグラムを通じて社長さんと仲良くなったそうです。
私もいくつか松永製作所の型を使っていたので、工場はどんなところだろう、と予定が決まった2か月前からワクワクしていました。
松永製作所は、亀戸駅から10分ほど歩いた住宅街の中にありました。
お菓子作り好きの間では、全国的にも有名な型だったので、普通の一軒家サイズでびっくり。(失礼😅)もっと大きな工場を想像していました。
中に入れてもらうと、所狭しとすごく大きな機械と、たくさんの型が!
ちょうどマフィン型を製作していました。1個づつ切り取ってサイズを揃えて、板にはめて溶接します。
この時、板が歪まないようにするのが技術がいるらしいです。奥が深いです。
何より、大量の型をここで1つずつ作っているんだ、ということに感銘を受けました。
職人さんの手によって、1つずつ丁寧に作られています。
型の選び方
型の選び方①形と材質
松永製作所さんの型は、質のいいブリキに、シリコン加工またはテフロン加工してあります。ブリキとは、薄い鉄板に錫(すず)メッキしたもので、熱伝導がよい金属です。
黄金とシルバーがありますが、黄金は材料の関係で在庫限りで廃盤になるそうです。
黄金に代わって最近は、黒のテフロン加工をした型がおすすめということで、マドレーヌ型を購入させてもらいました。黒のテフロン加工は、シリコンに比べ耐熱温度も高く、耐久性も約2倍。お値段もその分、高いです。
マドレーヌはぷっくりしたホタテ型とよく見かけるスマートなシェル(貝殻)型があります。見た目の形の好みはもちろんですが、1個当たりの容量、深さによってお菓子の原価と食感も変わってくるので、買う時はそのあたりも考慮してみてください。
形に一目ぼれしたプチクグロフの型は、使用頻度も考えてシルバーを購入しました。
型の選び方②1個ずつか連結か
1個づつの型は、天板やオーブンの大きさに縛られず、好きな個数を焼けて収納もコンパクトというメリットがあります。お値段も連結型より手頃。
デメリットとしては、まとめて持ち運ぶのが大変、作業効率が悪いという点です。私はよく使うものは、使いやすい連結型を選んでいます。ただ、連結型がたくさんあると保管場所がいるので大変です😱ご自身のライフスタイルに合わせてお選びください。
松永製作所の型のおすすめポイント
なんといっても型離れが良い!
通常の安い型だと、マドレーヌ、レモンケーキなどは、ブールファリネ(型にバターを塗って強力粉を打つ作業)が必要です。しかし、松永製作所の型は、軽くオイルスプレーするだけで、気持ちよく型から取れます。オイルスプレーしなくても取れますが、型を長持ちさせるためには、毎回オイルスプレーをするか、油(又はバター)を塗った方がおすすめです。
型の種類が豊富
マドレーヌ型、フィナンシェ型はもちろんキティちゃんや、クマ熊五郎、リスのポォー、うさぴょんなど豊富なかわいい型があり、いろいろ集めたくなります。ネーミングもかわいいですね!
Tさん絶賛のパウンド型や、空気穴のついた食パン型もおすすめです!
丈夫で優れた耐久性
松永製作所の型の特徴の1つに、全周に針金が入っていること、があります。これにより、強い強度と耐久性があります。
型のお手入れ方法
買って来たとき、空焼きはしない。
買ってきたら、まず中性洗剤を使いスポンジで軽く洗って、ぬるま湯で流します。布で軽くふき取り、オーブンの予熱などで乾燥させます。
シリコンやテフロン加工いる場合、空焼きしてしまうとシリコン、テフロンの寿命が短くなってしまうのでNGです。できれば生地を焼くときも、個数が足りなくて空いているところがあると型に良くないから、捨て生地や水を入れて焼いた方がいいそうです。今まで空いてる箇所があってもあまり気にしてませんでしたが、ちゃんと型に合わせて分量を計算して焼くことにします。
使用後もなるべく洗わない
基本的には、布で拭くだけにし、油分を残すようにすると長持ちします。どうしても洗いたい場合は、中性洗剤で洗って、よく乾燥させてください。
保存は高い位置で
床に近いところは湿気がたまるので、なるべく高い位置での保管がおすすめです。
まとめ
松永製作所の型は、普通の型に比べて少し高価ですが、それだけの価値はあり、普通の型に戻れなくなります。
型にも寿命があるので、なるべく長持ちさせるために、あまり水洗いと空焼きはしないようにして、毎回、油を塗って使ってください。
テフロンとシリコンを使い比べた感想では、テフロンも油だけで取れますが、シリコンの方が今のところ型離れがいいです。なので自宅でたまに使うくらいであれば、シリコンの方で充分かなと思います。
アマゾンや楽天でも購入できるので、ぜひ一度、使ってみてください。
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プロが教える本格お菓子教室「シュクルエピス」主宰。
東京都北区の自宅工房でお菓子教室とお菓子の販売をしています。
「日常にスイーツとちょっとしたスパイスを」をコンセプトに、美味しさと完成度にこだわったお菓子をお届けしています。